わたしの物語

テレビ業界で働きたい！という中学時代の夢を叶えたのは22歳の時でした。
それから20年が経ち、学生時代人付き合いに悩んでいた私は“人”が大好きになりました。
取材を通して数えきれないほどの多くの方々と出会い、お話を聞かせていただきました。
そこには私の知らない世界が広がっていて、新しい発見と感動でいつも心がワクワクしていました。
中でも、ドキュメンタリー番組を担当したときのことは今でも忘れることができません。
取材をしたのは芸能人でもなければ、有名なスポーツ選手でもない、静岡という街に住んでいるごくごく普通の人たちです。
視覚に障がいを持つ生徒が通う盲学校の野球部。万年最下位という弱小チームを一年かけて密着しました。
優勝なんて夢のまた夢、と誰しもが思っていたのですが結果は“全国優勝”。
そして全校児童19人の山あいにある小さな小さな小学校。閉校までの一年間を密着させていただきました。
共に一年間という長い期間密着取材したことで感じたことは、 “人っておもしろい！”
当然ながら携わる人たち一人一人に歴史や葛藤、信念があり“物語”がありました。その物語は、唯一無二の存在として私の目にはキラキラ輝いて見えました。
誰しもが人生の主役である、その想いが「ひとものがたり」の原点です。
偉業を成し遂げた人、ではなく目の前にいる大切な人の物語をもっともっと紡いでいきたい、
そして「ひとものがたり」が、家族や次の世代まで代々語り継いでいくものになってもらいたいと願います。